横浜マタタビバージョンのFUNI WORLD

おバカショート劇場。

FUNI WORLD




第、967話 理由 (2018.01.13)
帰郷した。
昔とは変わってしまった駅を出ると、
カンガルーに声を掛けられた。
(日本でカンガルーに声を掛けられるなんてざらにないな)
そんな事を思っていたら、その着ぐるみは僕にこう言った。
「カンガルー様は、いつもあなたを見ています。
カンガルー様に、あなたも命を委ねましょう。
カンガルー教に、今すぐ入会しましょう」
(あ、怪しい宗教の勧誘じゃないか)
僕は逃げるようにそこから立ち去ると、
見覚えのある人物に声を掛けられた。
「よっ、おまえ帰ってたのか」
児童養護施設仲間だ。
「俺、祥恵と結婚したんだ。うちに寄ってけよ。
子供も生まれたんだ。今年で3歳になるよ」
3人は、赤ちゃんポスト組だった。
家にお邪魔をすると祥恵は言った。
「貧しいけれど、この子は親のいない子供にはさせないわ」
(僕が帰郷したのは、育ってきた町を最後に見たかったのと、
それと・・。)
僕は旧友に別れを告げ、自分の住む街へ帰った。
家に着くと、郵便受けに言付けが入っていた。
(家に来てしまってごめんなさい。
ゆで卵の殻剥き教室を暫く休んでいたので、
心配になり来てしまいました)
ゆで卵の殻剥き教室の受付の女か。
誰とも交際する気力など無かったから、
コクられて速効に断ったけど。
個人情報を不正に照会しやがって。
(心配になり来てしまいました)・・か。
バックの中には、旧友が『今度またゆっくり会おう』と言って
渡してくれた故郷のお菓子と、僕がいつも持ち歩いている、
僕を赤ちゃんポストに置いていった人が僕に授けてくれたお守り。
――明日からはちゃんとゆで卵の殻剥き教室に行き、
バイトもシフトが組まれていたはずなのでちゃんと行かなければ。
僕はまた、退屈な繰り返すだけの毎日に足を踏み入れる事にした。
人は皆、愛されて託された命。
生きていく理由なんてそれだけで十分だ。


第、966話 アイドルフェスティバルの楽屋にて (2018.01.05)
花柄ファンタジー「こんにちは。花柄ファンタジーです。
恋心レッドの、天沢裕菜です。
友情パープルの、蘢宮夢です。
微笑みイエローの、源広佳です。
初恋ピンクの、一香奈です。
そよ風ブルーの、郎女真利奈です。」
平成ツチノコ隊メンバー「みんな、カワイ〜〜イ!!
新曲の『ぷにぷにウサギジジイ』大好きです。
マネージャーさんも若いお姉さんでカワイ〜〜イ!!」
マネージャーのボヨヨ〜ン「お、おい、今チラッとボヨヨ〜ン見なかったか?」
平成ツチノコ隊メンバー「マネージャーさんも若いお姉さんでカワイ〜〜イ!!」
マネージャーのボヨヨ〜ン「またボヨヨ〜ン見なかったか?怖いほど冷めた目で見なかったか?」
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マネージャーのボヨヨ〜ン「はい、本日は第***回平成ツチノコ隊チャンネル配信です。
アイドルフェスティバル参戦後の楽屋から配信しています」
平成ツチノコ隊、メンバー。
中村千春 ー 幼き頃から山を幾つも越え分校に通い続けた強い足腰が自慢。
大谷幸恵 ー 世界に生息する昆虫をほぼ全て把握している。
岩永麻理奈 ー 6歳の頃、総合格闘家の父の関節を決めギブアップを奪った事がある。
菅原真美子 ー 悪の組織に改造されかけ脱走。右腕に数々のアタッチメントを装着できる。
二階堂幸恵 ー 学んだ記憶がないヒエログリフを流暢に読み書きできる。
渋谷忍 ー 象使いの両親の間に生まれ、子象と戯れながら育った。
ラーメン丸カーノ (平沢華音) ー 目隠しをしてインスタントラーメンの銘柄を当てられる。
-お暇なら、第、965話 またはそれ以前参照-
平成ツチノコ隊メンバー「『花柄ファンタジー』みたいなカワイイ名前に変えたい」
マネージャーのボヨヨ〜ン「た、例えば???」
平成ツチノコ隊メンバー「煮豆デンジャラス」
マネージャーのボヨヨ〜ン「却下!!!」
平成ツチノコ隊メンバー「ギャハハハハハハハハハハハ」
マネージャーのボヨヨ〜ン「こ、こら;;」
平成ツチノコ隊メンバー「この際、メンバーカラーを定めたい」
マネージャーのボヨヨ〜ン「た、例えば???」
中村千春「山道色」
大谷幸恵「玉虫色」
岩永麻理奈「格闘色」
菅原真美子「改造色」
二階堂幸恵「マミーブラウン」
渋谷忍「象グレー」
ラーメン丸カーノ (平沢華音)「魅惑の調味油色」
マネージャーのボヨヨ〜ン「却下!!!」
平成ツチノコ隊メンバー「ギャハハハハハハハハハハハ」
マネージャーのボヨヨ〜ン「遊ばれている。年明け早々遊ばれている」
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新春アイドルフェスティバル 弁才天とビッグマッチ
メインイベント 30分1本勝負 平成ツチノコ隊 セットリスト
1.今、この場所へ (オーバチュア)
2.ハレソラ
3.転がるなツチノコ
4.ハピネス
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ぷにぷにウサギジジイ
歌手:花柄ファンタジー
運転免許は返納したけれど
ウサギのコスプレ 今すぐ止められない
還暦迎えて見付けた満足感
我が家に住み着く ぷにぷにウサギジジイ
LOVELY THERAPY LOVELY THERAPY 高齢化社会
だから このままそっとしておいて
浣腸プレイは卒業したけれど
ウサギの着ぐるみ 今すぐ捨てられない
定年境に新たな使命感
我が家に居座る ぷにぷにウサギジジイ
LOVELY THERAPY LOVELY THERAPY 高齢化社会
だから ジジイを笑顔にしておいて


第、965話 悪臭毒煙獣 (2017.12.29)
マネージャーのボヨヨ〜ン「はい、本日は第***回平成ツチノコ隊チャンネル配信です」
ラーメン丸カーノ (平沢華音)「皆さんこんにちは。カノぽっぽです。
とある動物園の喫煙所に、『喫煙者 霊長目ヒト科』という貼り紙。
『たばこ』という葉をいぶしてその煙を肺に吸い込むことを
常習とする動物で、長時間『たばこ』を吸わないと、イライラして
落ち着きがなくなる個体もいる。とのこと。で、現在は、
『喫煙者 霊長目ヒト科』からのクレームで張り紙は撤去されたらしい。
そこで、カノぽっぽから提案。『人に危害を加える危険な妖獣。
絶えず悪臭を放ち、口から毒煙を吐く。別名・悪臭毒煙獣』。
という言葉を追加して、日本に依然現存する『喫煙所』という名の
汚染区域にアルミ複合板での注意書きを設置したらどうでしょう」
マネージャーのボヨヨ〜ン「ラーメン丸カーノ (平沢華音)による、
『カーノ、年の暮れに熱く語る』をお送りいたしました。さて、
来年早々、大規模なアイドルフェスティバルがあります。
これまで平成ツチノコ隊は、アイドルフェスティバルの出場を
お断りしてきました。しかし今回、応援して下さっているファンの意見や、
メンバーの『他のアイドルグループと触れ合いたい』との希望もあり、
平成ツチノコ隊、アイドルフェスティバルに初参戦させていただきます」
中村千春「私たち『平成ツチノコ隊』は、演出家『アニマル浜乃口』先生の、
『ライブではお客さんに支払っていただいた金額の、三倍以上の仕事をしろ』
との言いつけを守り、現在までお仕事を続けて参りました」
大谷幸恵「私たち『平成ツチノコ隊』は、平成ツチノコ隊イズムで挑みます」
岩永麻理奈「振り付けの『長州力江』先生からは、
『イデオロギーの闘いを魅せろ』と言われました」
菅原真美子「害虫まみれのアイドル産業を根っこから掘り返し、
そこから新しい芽が生えてくるように種を蒔いてきます」
二階堂幸恵「これは、『平成ツチノコ隊』からの、世の中に対しての挑戦です」
渋谷忍「『楽しく騒ぐアイドルステージ』しか知らない他のアイドルファンに、
『手に汗握るアイドルステージ』を経験させてきます」
ラーメン丸カーノ (平沢華音)「大晦日は『年越しインスタントラーメン』を食べます」
all「では皆さん、よいお年をお迎えください!!!」
-お暇なら、第、960話 またはそれ以前参照-


第、964話 ココア (2017.12.22)
夢に出て来る同じ場所。
家からそう遠くないけれどまだ行った事のない場所。
実際そこまで出掛けてみると、
夢で見た景色が広がっている。
夢で見た交差点。
夢で見たスーパーマーケット。
夢で見たスポーツセンター。
何か良い事があるのかも知れないと暫く道を歩くも、
結局、ただカロリーを消費するだけの結果に終わる。
「――だから???」
幼い頃からそうなんだ。
僕には無駄に変な脳力がある。
だが幸せは己で切開かなければいけない。
平凡に町並みを歩くのではなく、己を変化させてみなければ。
夢に出て来た公園で近所の子供達が遊んでいる。
「よっ!チビども、元気だな」
僕としては変化を求めての精一杯の声掛けだった。
だが近くにいた母親等にはそれでは済まなかったのだろう。
「あなたは何ですか!警察を呼びますよ!直ぐに立ち去りなさい!」
嫌な思いをした。嫌な思いをしただけだった。ただ、嫌な思いをしただけだった。
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その日の夜も夢を見た。
公園で近所の子供達が遊んでいた。
「よっ!チビども、元気だな」
だが近くにいた母親等にはそれでは済まなかったのだろう。
「あなたは何ですか!警察を呼びますよ!直ぐに立ち去りなさい!」
そこで目が覚めた。
嫌な思いが夢で繰り返された。
――寒い。すごく寒い。
お天道様までにはまだ時間があった。
もう少し眠っていられる。
僕は布団に包まるように丸まった。
しかし、尿意が僕の細やかな二度寝を妨害してきた。
――寒い。とても寒い。
僕は布団の温もりに未練を残しつつ、
ブルブル震えながらトイレに駆け込んだ。
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朝起きて何気にネットでニュースをチェック。
例の公園で包丁を持った通り魔が逮捕されたらしい。
母親A「少し前にも不審者が現れ警察を呼んだんですよ。
それで通り魔が現れたタイミングでやって来た警察官と鉢合わせになってね」
――不審者?――あぁ、僕の事か。
結果的に僕の声掛けが子供達の命を救ったようだ。
キッチンでケトルが湯が沸いた事を知らせてくれる。
朝、一杯のココア。これが僕の至福の時。


第、963話 俺は金田一耕作になる! (2017.12.16)
男A「また警察官の不祥事での謝罪記者会見だな」
男B「マニュアルロボット『謝罪屋太郎』を作ったら儲かるかもな」
男A「それより『初音ミタ』にマニュアル喋らせたらいい」
男B「ノートパソコンと大型モニターでの謝罪記者会見か」
男A「こんな警察には事件を任せられないから俺は探偵事務所をおっ始めた」
男B「でも探偵事務所なんて浮気捜査ばかりだろ。
民間が事件追っ掛けてたら下手こいたら捜査妨害になるだろうし」
男A「俺は金田一耕作になるんだ!古くは片岡津恵蔵や高熊健。
そして有名な石坂宗二。『八つ墓CITY』の巧美清。
『悪魔が来たから笛を吹く』の西田敏光。ずっこけてた豊紀悦司。
通には作風と共に史上最高の金田一耕作と称される、『本陣殺害事件』の中野彬。
TVドラマでは、岡恭司、船松裕二、金中吉男、古谷十行、
愛川銀也、小野道昭、中井貴逸、役所邦司、上松隆也。
作風がやたらずっこけてたシリーズでの片岡鶴次郎。
俺は新たな金田一耕作になるんだ!」
男B「で、事件は何か舞い込んだのか?」
男A「迷い猫捜索」
男B「――お、おう。で、他の依頼は・・」
男A「大掃除の手伝いと年越し蕎麦の出前」
男B「――お、おうよ。」


第、962話 枯れ葉の黙示録 (2017.12.09)
『マンモスヘソ毛ピー!私たち、ヘソ毛アイドル、ヘソ毛∫Dollで〜す』
ヘソ毛∫Dollメンバーの臍毛増菜は目と鼻を整形している。
僕は幼児期からそういう事に気付いてしまう。
例えばどう見ても女性にしか見えなくても僕にはその人物が男性だと気付いてしまう。
例えば特殊メイクした老人が実は若者であっても僕はそれに気付くだろう。
最も分かり易く説明するならば、ダルメシアンが二本足で立ち、
人間の若くて美しい女性に扮したとしても僕はそれに気付くだろう。
公園で遊ぶ幼女が実は友人のお爺さんだったりした事はないだろうか?
塀の上を歩くネコが実は校長先生だったりした事はないだろうか?
ぬか床から取り出したナスが実はかくれんぼ中の幼児だったりした事はないだろうか?
風になびく洗濯物が実は張り込み中の刑事だったりした事はないだろうか?
僕は幼児期からそういう事に気付いてしまう。
既に幾つかの国が人間の皮を被った悪魔に支配され始めている。
足下にひらひらと舞い落ちた枯れ葉。
――あの人だったりした事はないだろうか?
次々にひらひらと舞い落ちる枯れ葉。
――あの人たちだったりした事はないだろうか?
木枯らしに吹かれ、渦巻いている枯れ葉。
僕は身を屈めたままそこから一歩も動けなくなってしまう。


第、961話 大掃除 (2017.12.02)
「ちょいとそこのキミ、その千手観音を捨てようとしてはいませんか?」
「てか、あなた誰?この千手観音はあたしが小学生の時の工作だから捨てるの」
「その千手観音を写真にとって『彼女と千手観音なう!って使っていいよ』を投稿出来ます」
「そんな夢のような投稿は一度も考えもしなかったわ」
「捨てるという事は失うという事です」
「もう少しであたしは大切な物を失うところだった」
「ちょっと待ってそこのキミ、そのウミガメの着ぐるみを捨てようとしてはいませんか?」
「これ、あたしが小学生の時の冬服だったんだけど、もうあたし、中学生だから――」
「『彼女はウミガメなう!って使っていいよ』を投稿出来ます」
「そんな芸術的な投稿は一度も考えもしなかったわ」
「捨てるという事は失うという事です」
「もう少しで私は人生の糧を失うところだった」
「だからそこのキミ、そのロケット付きランドセルを捨てようとしてはいませんか?」
「でも、あたしが小学生の時のロケット付きランドセルだから、もう必要ないの」
「『彼女も鉄人ロボ28号なう!』を投稿出来ます。それに――、」
「お向かいに住む、大好きだったお兄さんがあたしのために改造してくれたランドセル。
でもいいのよ。お兄さんは来年には結婚してしまうの」
「始めてそのランドセルを背負って空を飛んだ時の幸せな気持ちまで捨ててしまうつもり?」
「――忘れる事は罪なの?」
「捨てるという事は失うという事です」
「あたし、失いたくない!あの頃の初恋の輝き。ところで、あなたは誰なの?」
「キミの思い出です」


第、960話 今、この場所へ (2017.11.25)
マネージャーのボヨヨ〜ン「はい、本日は第***回平成ツチノコ隊チャンネル配信です」
平成ツチノコ隊は、原則、マスメディア拒否のプログレッシブ・アイドルグループ。
-お暇なら、第、954話 またはそれ以前参照-
中村千春「座っている時間が長いと寿命が縮まるらしいって?」
大谷幸恵「座った瞬間、足の筋肉からの電気信号がストップ?足のカロリー消費もストップ?」
岩永麻理奈「血液の循環も悪くなり血液がどろどろに?」
菅原真美子「肩こりや腰痛の原因にも?」
二階堂幸恵「『座りっぱなし症候群』って言うのよね。30分に一度は立たなくてはいけないって?」
渋谷忍「それと、太りやすくなるって?最初から太っているボヨヨ〜ンは座ると命取り?」
マネージャーのボヨヨ〜ン「『太りっぱなし症候群』てか、おいおい;;;」
ラーメン丸カーノ (平沢華音)「現代人は研究報告によって殺されるのかもね。
わたしなんかインスタントラーメンをほぼ毎日食べてるけど太らないわよ」
マネージャーのボヨヨ〜ン「そ、それとこれとは?ところでメールが来ています。
平成ツチノコ隊のオーバチュアは曲の最後にメンバーが歌を歌いながら登場しますが、
是非、チャンネル配信で歌って欲しいのですが。だそうですよ。ではアカペラで!」
平成ツチノコ隊メンバー「はーーーい!!!」
---------------------------------
今、この場所へ (オーバチュア)
歌手:平成ツチノコ隊
今、この場所へ 楽しさを蒔きましょう
みんなの笑顔が 咲き誇りますように
みんなの優しさ 咲き誇りますように


第、959話 新婚さんいらっしゃり!(2017.11.18)
MC「『新婚さんいらっしゃり!』の時間です。
本日の新婚さん。奥さんが旦那さんに困っていることがあります。
さて、一体何に困っているのかを当てて下さい」
回答者A「旦那が毎日笛吹ケトルを買って帰ってくる!」
MC「家中笛吹ケトルだらけ?」
回答者B「旦那が毎日ゼンマイ仕掛けのメトロノームを買って帰ってくる!」
MC「家中ゼンマイ仕掛けのメトロノームだらけ?
もう、どちらも不正解です!」
回答者A「わかった!旦那が新築の家の柱にドリルで穴を開けて困る!」
MC「どういうこと?」
回答者B「旦那がその柱の穴にシイタケの菌を植え付けて困る!」
MC「シイタケの栽培かい!?どちらも不正解です!
いいですか!『新婚』ですよ!『新婚』」
回答者A「雪やこんこでキツネがこん」
回答者B「汽車汽車ぽっぽで鳩ぽっぽ」
MC「おまえら、バカの地獄絵図か!
いいですか!ヒントは『お風呂』。
ほら、新婚でお風呂と言えば?」
回答者A「わかった!旦那が湯船にアヒル宜しく笛吹ケトルを浮かべて困る!」
回答者B「わかった!旦那が湯船に浸かりながらメトロノームのゼンマイを巻いている!」
MC「おまえら、バカのメビウスの輪か!
もういいです!正解を発表します!
正解は、『旦那が毎日奥さんと一緒にお風呂に入りたがる』でした」
奥さん「そうなんです。私が断ると当て付けのように笛吹ケトルを湯船に浮かべてで遊んだり、
湯船に浸かりながらメトロノームのゼンマイを巻いてひねくれるんです」
回答者AB「おれたち、ほぼほぼ合ってたじゃん!!!イエーイ!!!」


第、958話 ナベコメディー (2017.11.11)
部活での雑談。
榎茸「よく胸がキュンキュンするとか言うだろ」
長葱「そりゃ間違ってるよ。ナベがグツグツだろ」
榎茸「いや、胸が締め付けられて、胸キュンってさ」
長葱「いや、お腹が空いてしまい、ナベグツってさ」
榎茸「ときめいて、キュンキュンとか」
長葱「煮込まれて、グツグツとか」
榎茸「ラブコメ観て、キュンとかさ」
長葱「ナベコメ観て――――」
榎茸「ナベコメって何だよ!」
菊菜「きゃはははは、、」
榎茸「ほら、後輩に笑われた」
長葱「ほら、後輩に煮込まれた」
---------------------------------
その日、校庭にて。
菊菜「長葱せんぱーい、わたし、長葱せんぱいに、ナベグツです」
長葱「嘘から出た実」
菊菜「いいじゃないですか。言葉は心で話して心で受け取るものですから。
今の日本、魂の抜け殻のような雛形言葉が散乱している中、伝わるって、美徳だわ!」


第、957話 瞬いている (2017.11.04)
帰り道の景色。
揺れ動く明日。
遠ざかる未来。
握り締めたあの手の温もりも、
手袋の中で今は冷え切っている。
帰り道の景色。
止められない流出。
受け入れられない痛み。
瞬いている、あなたのあの笑顔。
今日からは、ひとりだけの帰り道。


第、956話 しおり (2017.10.28)
――某中学校の昼休み。
結城和真は学校の図書館でほぼ誰も手に取る事が無さそうな
『竹工の技』という分厚い本をひたすらめくっていた。
今度漫画賞に投稿しようと目論んでいる
『改造人間・竹細工仮面』のデザインのために、
必死にヒントをたぐり寄せている真っ最中であった。
和真はふと挟んであったしおりを手に取った。
しおりには、『こんばんは。松原有希恵と言います』と書かれてある。
「誰だよ!おい」
和真はしおりを本の横にどけて『竹工の技』をひたすらめくった。
その後、和真は『竹工の技』を閉じ、それからその本を元の場所に戻す。
「あっ、そうか・・・・・・」
和真は挟み忘れたしおりをポケットに入れ図書館を出て行った。
---------------------------------
『松原有希恵』と言う名。
和真のクラスにも、学年にも、現在この中学校にはいなかった。
漫画賞に没頭すれば良いのに、しおりが気になりだして落ち着かない。
手書きで、『こんばんは。松原有希恵と言います』と書いてある、しおり。
我が中学校の卒業生だろうか?
『竹工の技』だって、以前めくられたのは何時の事やらだ。
「あっ、そうか・・・・・・」
取り敢えず、和真の身近にいる、我が中学校の卒業生に聞いてみよう。
とは言うものの、現在から25年前の卒業生だが・・・・・・。
「かあさん、かあさんって、『松原有希恵』って生徒に心当たりある?」
和真の母、結城柚希は『松原有希恵』と言う名を耳にして、
「かあさんが知っている『松原有希恵』の事?」と聞き返す。
和真はしおりを見付けた経緯を母に説明した。
柚希は和真に手渡されたしおりを手に取って、
「そうよ。この字、有希恵の字だわ!有希恵ったら、
きっと、自分がいたという証を残していったんだわ。
和真、有希恵はね、まだ中学生だったある日にね、
入院していた病院で亡くなったの・・・・・・」
「かあさん、写真あったら見せてもらっていい?」
「――はいこれ。持ってきたわよ」
和真は膝の上で開いたアルバムの写真に向かって呟いた。
「やっと出会う事が出来ました。
こんばんは。ぼく、結城和真と言います」
---------------------------------
――遠い昔、某中学校の夕暮れ時。
有希恵は図書館で『竹工の技』という分厚い本を閉じるとこう呟いた。
「いつか誰かが私と出会ってくれる。私の事に気付いてくれる」
――そして、、
有希恵は学校にため込んでた荷物を詰め込んだ通学カバンを手に下駄箱へ向かった。




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