横浜マタタビバージョンのFUNI WORLD
★おバカショート劇場。★
FUNI WORLD(12)
第、365話 猫様の耳はネコの耳 (2006.06.25)
知ってました??
わたし、耳さんかくなんです。
くるくるっと、180度大回転なんです。
だから、遠くからのあなたの足音をキャッチして、
あなたが今、現在、何を考えているのかがよく判ります。
ネコだから・・
だから、今日、あなたが待合わせ場所に訪れて口を開く前に、
わたし、あなたの顔すら見ぬままに、その場所からいなくなりました。
気まぐれですか??
だって、ネコだから・・
既に心が痛んでしまったから、あなたの言葉から身を隠すのです。
きっと、おそらくは、もう、永遠に・・
第、364話 それより今は、 (2006.06.18)
幸せなひとときって・・
朝、グラスにオレンジジュースを注ぐと茶柱が立っていたとき・・
電線のすずめに指で『パーン』ってしたら落ちるふりして飛び立ってくれたとき・・
駅のベンチに腰掛けていたら野良猫が横に来て膝を軽くポンポンと叩いてくれたとき・・
普段は弱いジャンケンだけど見知らぬ人の試合放棄により思わぬ勝ちを拾ったとき・・
焼きそばパンの紅生姜を零さず食べる些細な技を売店のおばさんに褒められたとき・・
バイト帰りに薬局で禿げてはないけれど親切に育毛剤の試供品を一杯貰えたとき・・
夕日の開かずの踏切でタイミングよく待たずに自然なスキップで渡れたとき・・
アパートに帰ると飼っているハムスターが肩を軽くポンポンと叩いてくれたとき・・
グラスに並々とコーラを注ぐと茶柱が立っていたとき・・
それより今は、なにより今は、
今日、君が僕に微笑んでくれたその笑顔を想い浮かべている、そんなひととき・・
第、363話 『匠』 (2006.06.11)
悪友阿婆擦男狂女のS子は何時人間国宝に認定されようと
誰もが納得がいくほど数多く男引っ替え重要無形文化財『匠』女だと言うのに・・
たった一人の男に声すら掛けられない無様な女、私って・・
そんな訳で、変態男漬け女のS子に改めて弟子入りしようと決意したが、
「わしゃ〜、弟子など断じて取らん」<(`^´)>
・・と、一喝され。。
どこぞの幼稚園の庭で泥んこ遊びをしていた天使たちに柵越しに人生相談をして頂くと、
「そりゃ、技は盗むべきだよ!!」
「いやいや技は生み出すべきだって!!」
「何を申す、技は歴史だ!!」
・・との、数々の有り難いアドバイス。 (ノ_<。*)
しかしながら鈍い私などに技など永遠に縁遠いもの。
こりゃまたどうしたものかと途方にくれていると・・
「『裏技』に賭けてはみないか、そこの腐れ女!!」
と、こんな私如きに一人の園児が・・
そして翌日、私はその園児の教えの通りに行動を起した。
ビギョギョギョギョォオオオオオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪。゜゛
けたたましく、防犯グッズのプロェッショナルである平成園児推薦の、
超一級品防犯ブザー『匠』の音に驚き私に駆け寄って来た彼。
「ど、どうしたんだい、そこのマドモアゼル??」
「ご、ごめんなさい、持ってた防犯ブザーのヒモをうっかり引き抜いちまって;;」
「あ、なんだ、でも、なんでもなくてよかった」
「・・・・・・」
「ほんと、よかったよかった」
「ごめんなさい m(_ _;)m ごめんなさい m(_ _;)m ごめんなさい m(_ _;)m」
「あははは、いいよいいよ」
「違うんです・・ 違うんです・・ 違うんです・・」(ノ_<。*)。oO
私は差し出されたカツ丼を喰いながら、囁くような”かあさんの歌”を聴きながら、
園児との裏技アドバイスの全てを包み隠さず自供した。
そして・・
「やっぱりバラしちゃったんだね、そこの腐れ女」
「そうなの、それが以外に殊の外話が旨い事いっちゃってね、今度彼と結婚するのよ」
「計算通りだよ、そこの腐れ女」
「えっ?? 計算通り???」
私は、幼稚園の庭の柵越しに、何時人間国宝に認定されようとおかしくはない、
一人の幼き『匠』な男の子を、ありがたくありがたく暫くは眺めていた。
第、362話 嗚呼、カンガルーかく語りき (2006.06.04)
『朝の爽やかなひととき、いかがお過ごしでしょうか?
おはようございます。司会のカンガルーせせらぎです』
プチッ!
折角の休日だと言うのにテレビったらつまんない。
朝早くから目覚めちゃったし。でも特に出掛けるとこないし。
「女の一人暮らしって、退屈だったんだなあ〜」
暇だし暇だし暇だし!!結構暇だし暇だし暇だし!!
『暖かな昼下がり、いかがお過ごしでしょうか?
こんにちは。パーソナリティーのカンガルーうららかです』
プチッ!
折角の休日だと言うのにラジオったらつまんない。
いやぁああ、暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ暇だよーーー!!
お洗濯や部屋の掃除で午前中をなんとか凌いで来たものの、
・・ひとりで買い物行こうかなぁ。
でもさっき買い置きお菓子たらふく喰らったばかりで、、、σ( ̄(││) ̄;;)ブゥ
夕食作る頃行けばいいか。
「私ったら結構趣味も味気もない退屈な女だったんだよ」
・・誰に語ってんだか、私。
暇だし暇だし暇だし!!結構暇だし暇だし暇だし!!
『恋しさが増す夕暮れ時、いかがお過ごしでしょうか?
あなたの愛しきシルエット、カンガルーたそがれです』
「やかましぃいいいいいい!!移動販売おやじぃいいいいいい!!」
スーパーに買い物行こ、買い物〜、、...ヘ(((*´`)ノ〜o○◯
すっかり歩き慣れて来たこの街並み。
スーパーマーケットから我がアパートまでに、
ちょっとした広さの公園がある。
中高層ビルやマンションが並ぶ街道の裏側にこっそり、
ちょっとした広さの公園がある。
ぎりぎり梅雨前だって言うのに五月の雨の多さで紫陽花が既に咲き乱れている。
「女の一人暮らしって、退屈だったんだよ〜」
いままでずっとあなたがいたから。
休日はあなたと買い物に出掛けられたから。
この公園でふたり、いつものようにベンチに腰掛け、
あの日、突然のあなたからの別れ話・・
ポツリポツリと雨が滴り落ちて来た。
近所の子供たちが家まで走り出してゆく。
私はひとりぼっちで、いつも隣にあなたがいたベンチ。
カンガルーの滑り台の側、いつも隣にあなたがいたベンチ。
第、361話 私って女リサイクル法案 (2006.05.28)
牛乳パックから再生紙作れたって何だって言うのよ!!
牛乳パックで彼氏が出来るんだったら本腰入れて燃え付きてやるわよ。
いや、そこで燃え付きてどうするんだ、私・・
廃油から石鹸を作っては御近所に無理矢理配り倒してて、
自分は石油系合成界面活性剤ボディーソープ使い倒してるそこの奥さん。
廃油から男作って逸早く私んとこ連れて来なさいよ、ちょっと!!
誰か、私って女をエコリサイクルしなさいよぉ、ちょっとぉ!!
”家電リサイクル法”なんてデタラメ放題していないで、
”私って女リサイクル法案”を政治家どもは国会で可決・成立しなさいよ!!
生ごみ処理機で肥料がこんもりお見事作れるんだったら、
私って女がすくすく美しく育つ肥料を作ってみなさいよ!みなさいよ!みなさいよ!
それが真のリサイクルってもんじゃないのぉおお、そこの旦那あああ!!!!!!
エコタウン環境組合は直ちに総力を挙げて、大人な感じの私に仕上げて、
太陽の恵を全て私の美の演出のために照らしまくって発電させてぇえええ!!!!!!
いや、そこで発電始めてどうするんだ、私・・
ヾ(*._.*)
・・と、最近アパートに泊めてやったOL仲間の悪友ちかこからの緊急な助言から、
自ら寝る時にICレコーダーを仕込んでみたのだが〜;;;
本当に、本当に、だから本当に、、、
我が捨て身の寝言を聞き終えて、毎朝、アパート住民のその微かなる、
冷たい視線や失笑や、時々郵便受けに投入されていた遠回しの苦情や嫌がらせの謎が、
一気に鮮明に解明された事による全神経を瞬間移動で鳥肌させるような、
この未体験な人間としてぎりぎりの木っ恥ずかしさなんかよりも、
思わずこの我が身に染み渡った言い様もない切なさと空しさと我ながら哀れみに、
ボロ泣きしてしまった私、独身・彼氏歴ゼロな女。・・っていったい (ノ_<。)。oO
第、360話 ミステリー大好き (2006.05.21)
・・たとえば占いとか。
『星の動きと、たまたま道で出会ったイボ痔じいさんの
時々苦悩する表情の変化であなたの運勢を占う、行き摩りイボ痔占星術・・』
だとか。
・・たとえば未確認飛行物体とか。
『たまたま道で出会ったイボ痔じいさんの
時々苦悩する表情の向こう側の空に放物線を描くように、あれは確かに飛んで・・』
だとか。
・・たとえば謎の古代文明とか。
『イボ痔じいさんの時々苦悩する表情の水晶のアクセサリーは、
現在の研磨技術を用いたとしても到底考えられない、いわゆるオーパーツ・・』
だとか。
ミステリーが大好きなのよねぇ〜、、奴は・・
あとは、、
『イボ痔じいさんの地上絵』
『イボ痔じいさん原人を追え』
『超能力じいさんイボジー』
などなど、、。
ほんとミステリーが大好きなのよねぇ〜、、奴は・・
そんなこんなで、ある日、私は奴に訊ねてみた。
「ねぇ、私ってあなたの目の前にちゃんといるぅ??」
「おお、いるじゃねーか!」
「ねぇ、私がひとりの女としてあなたの目に映ってるぅ??」
「おお、少々ちんちくりんだけれど女に違いないぞ!」
ムカッ(o# ̄∇ ̄)=◯)`ν゜;)★;
「ねぇ、私の星座とあなたの星座ってとっても・・」
o(*;' o`)o o(_ _lllo),。・☆,†
「・・相性がいいはずなんだけど、さぁ・・!?」
いい加減、起きろよ!おい (*ノ`´)ノミ〜(ll。^。;) ほげ
・・私は、・・・が大好き。
だとか。
第、359話 にらめっこしましょ (2006.05.14)
「僕はキミが訪れるまで何時間でも待っているよ」
「そう、それなら何時間でも待たせてあげる」
「・・それは、”僕が振られた”って事かい?」
「いいえ、違うわ!あなたのその決意を大切にしてあげたいの」
「なら僕は公言通りに何時間だって待ってやるさ」
「なら私はそんなあなたの姿を何時間だって見ていてあげる」
「どこか遠くからかい?」
「いいえ、あなたのすぐ目の前でよ」
「それは、キミは僕に訪れているんじゃないのかなぁ」
「違うわ、私は、私を待つあなたを何時間だって見ていてあげるの」
「じゃあ、キミが僕に訪れるのはいったいそれは何時なんだい?」
「そうね、気取りが消えたあなたの顔が、とても可笑しく見えた時かな」
第、358話 素敵な雑貨 (2006.05.07)
なんて事はない。
ちょっとした雑貨だったんだ。
かわいいニワトリさんの縫いぐるみポーチ。
その隣・・
もう一つの、かわいいニワトリさんの縫いぐるみポーチ。
私の部屋に、まったく同じものが二つに増えた。
ちょっとした雑貨だったんだ。
不意に衝動買いしたけれど、買ってみたら割と直ぐ飽きて来て、
部屋の中、かるく埃を被っていたニワトリさんの縫いぐるみポーチ。
その横のニワトリさんは、あなたが私に今日買ってくれたもの。
『おんなじの、もってるの〜、よ、、』
・・なんて、なんとなく言えなかった。
それはとっても素敵な雑貨だったから。
かわいいニワトリさんの縫いぐるみポーチ。
あなたが今日買ってくれたもの。
それはとってもとっても、
素敵な雑貨。
第、357話 ひと足早い夏 (2006.04.30)
まだ春だというのに少し暑い一日。
あれから一年も過ぎたなら、
出来たら、訪れてみたかった想い出の場所。
ちょっと、私ったら、勇み足・・
もう、けして、
『あなたには逢えない』 ・・ってこと、わかってる。
あの頃、あの季節、この花は既に終わりかけで、
ずっとずっと俯いてて・・ ずっとずっと黙ってて・・
今年、この季節、ほのかな光に誘われながら風に身を任せている、
ハマエンドウの濃紫色の花が、心に目映い海岸通り。
第、356話 新しい傘買っちゃった。 (2006.04.23)
わぁーいわぁーい、新しい傘買っちゃった。
インターネットぐるりと巡り巡って探し出した傘が届いたのぉ〜♪。゜゛
べつに、伝統工芸品を取り入れた限定生産物だとか、、
人気ブランドだとか、、平安時代流行のかぶり笠だとか、、
近未来な特種機能の、あ〜ら不思議折りたたみ傘だとか、、
今、都会のティーンエージャーに大流行!七福神イラストの開運傘だとか、、
ちっともちっともちっともちっともちっとも、そんなんじゃないんだけど・・
お小遣い叩いて、自腹叩いて、新しい傘買っちゃった。
男物だから、小柄な私にはとても大きめな親骨75cmのチェックのワンタッチ傘。
パパにはバカにされ、ママには笑われて、姉には後ろ指を刺され、弟からは呆れられ、
チェック柄がやや色違いになっちゃったけど・・
先輩とお揃いの、ネイビー色の私の雨傘。
うん、たぶん同じだよ。
大柄な先輩と小柄な私だけ・・
雨の日帰宅する学生の群れの中に、ちょっと離れて、ふたりだけ・・
チェック柄がやや色違いなっちゃったけど・・
先輩とお揃いの、ネイビー色の私の雨傘。
先輩と私、今、同じ傘の下。
第、355話 マイナスイオン出ています。 (2006.04.16)
スカイフィッシュ飛んでます。 ・・みたいな。
カッパ泳いでました。 ・・みたいな。
イボ痔が歩いてました。 ・・みたいな。
ううん、でも私の彼からはたしかにマイナスイオンが出ているの。
彼が大型電気店に行こうものなら、電気製品の群れが彼に平伏し、
彼が森の中で滝や渓流に出会えば、滝や渓流が癒されてしまう。
ましてや彼がひなびた温泉に行き、濡れた股間をタオルでバシバシと叩こうものなら、
その温泉はみるみるうちに大盛況し、各旅番組で引っ張り蛸の有様。
私の彼ってそう言う人なんです。
だって、私がこんなに癒されているんだものぉおおおヽ(*´)ノ〜シュビドゥワァー♪
正に極上のリラクゼーションをご堪能!
正に自律神経健やか未体験ゾーン!
正に爽やか最強伝説に遭遇!
だって、私がこんなにも安らぐ人だからぁあああヽ(*´)ノ〜シュビドゥビパパヤ〜♪
そんなステキな彼のことをママンに話して聞かせてあげるとママンったら・・
「あら、ママがパパと出会った頃はパパもそんな感じだったけど・・」
そんな時、こりゃまたパパンったら・・
「かあさん、腰巻どこやったっけなぁ? 腹壊しちまってピーピーなんだよ」
・・・・・・;;;
マイナスイオン出ています。
スカイフィッシュ飛んでます。
カッパ泳いでました。
イボ痔が歩いてました。
実は夜中にこっそりアナタのケツ毛が踊っています。
・・などなど。
疑似科学であったと考える時期が『おいでおいで』をしているよぉヾ(||||▽ ̄*)
泣きながら彼に電話を掛けると・・
「・・ごめん、今ちょっとお腹壊してて;; 後で掛け直すよ」
ヾ(* T◇T *)ノ彡 いやぁああああああああああ〜ん〜;;;;;
第、354話 神様じゃないんだから (2006.04.09)
最近、女友達の”かの”に彼氏が出来たらしくて、
”かの”曰く・・
「わたしは彼の理想な理想な女の子になるんだ」
・・だとよ。。
なるほど、、理想な女の子ねぇ。
な、訳で、ワタクシこと”さゆり姫”と致しましては・・
「ねえねえ、裕二ったら、さゆりに理想な女の子になってほしいっ??」
裕二↓
「取り敢えず、オレの髪の毛鷲掴みにしながらの血迷った質問はやめてくれ」
う〜ん、、難しい注文出して来やがる・・
「ねえねえ、神様じゃないんだから彼氏の髪の毛鷲掴みにしながらの会話は成立よね」
裕二↓
「繧ソ繧ソ繝薙ヰ繝シ繧ク繝ァ繝ウ蜉・エ縲;;」
姫↓
「文字化けして誤魔化してんじゃねーよ!!」
数日後、女友達の”かの”曰く・・
「ダーリンがねぇ『キミは神様じゃないんだから不器用なキミでいなさい』だってぇ」
・・だとよ。。
な、訳で、・・
「ねえねえ、裕二ったら、さゆりは神様じゃないんだから髪の毛鷲掴みなさゆりでいい??」
「ヰ繝シ繧ク繝ァ繝ウ蜉・エ縲;;;」
”かの”・・
「ダーリンがねぇ『不器用なキミが大好きだよ』だってぇ」
「ねえねえ、裕二ったら、髪の毛鷲掴みのさゆりが大好き??」
「ァ繝ウ蜉・エ縲;;;;」
”かの”
「わたしたち、別れたの・・」
はやっ!!
なんで??、あんたたちって理想のカップルだったんだけどなぁ・・
「ねえねえ、裕二ったら、ふたりの愛は永遠よねぇ??」
「う〜〜〜ん、取り敢えず、オレの髪の毛鷲掴みにしながらの・・」
そりゃ、神様じゃないんだからわからないってか ┐('〜`;)┌
「・エ縲;;;;;;」
数ヶ月後、”かの”
「さゆりったら裕二さんとの結婚おめでとう」
姫
「わーーい!ありがとう」
ね、神様じゃないんだからわからないって事よ ┐( ^o^" )┌
第、353話 相変わらず君が好き。 (2006.04.02)
ぼくには未来がある。
少なく見積もったとしても、1日?・・1時間?・・1秒?・・
まあ、暫くは何にしろ、ぼくには未来がある。
人間、人生80年と言われている事に標準を合わせたならば、
睡眠時間を除いたとしても溢れるほど未来がある。
その僕の未来の僕の心の中には永遠に君がいる。
今のぼくにはそれが真実。
君の心の中に、ぼくの居場所が限りなく無くたって・・
ぼくには未来がある。
その僕の未来の僕の心の中には永遠に君がいる。
相変わらず君が好き。
だって、相変わらず君が好き。
溢れるほどの未来でも足りないほど君が好き。
第、352話 焼きうどん、かく語りき (2006.03.26)
そりゃ人間たるもの、例えば是非に焼きうどんを喰らおうと突然作り出したとしよう。
もう頭の中では絶えず焼きうどんの香りに唆されるかのように、
この世の中には焼きうどんしか存在しないかのごとく妄想が始まり、
出来上がった焼きうどんの上で踊るかつお節のショータイムに喜び、
予想以上においしく仕上がった白ワインを隠し味にした上品な風味や、
その甘みがすこぶる焼きうどんに噛み合ってくれたタマネギの粋な計らいとか、
もちろん!肉は豚ばら、味付けは醤油。
それによる近未来に訪れるであろう夕飯時の己の幸福感に想像力は満たされ、
『ほんとに今日は焼きうどんを作って私は正解だったんだなぁ』・・なんて、
そこまで決定的に私のその日の夕食になるべき焼きうどんのために、
世界中の決め事が、時代が、未来が、人類が、巨大な力で応援をしてくれている??
・・・・・・はず、だったり。
で、何が言いたいかと言うと、さあ、焼きうどんが出来上がりました。
ならばいよいよ喰らい付きましょう。 ・・と、その肝心な時に、
突然、家の中に勝手に押し入って来た”息子の嫁にいびられ毎日はらぺこジジイ”に、
出来栄え99.9%の愛する愛する我が焼きうどんを難なく取り上げられ全て喰われ、
それが当然かの如く”息子の嫁にいびられ毎日はらぺこはみちんジジイ”に、
『うまかったよ、ごちそうさん』と激烈なお褒めの言葉を頂戴し、
目の前のテーブルの上に残されたのは時遅く一枚の空の皿・・
その時、”息子の嫁にいびられ毎日はらぺこはみイボ痔ジジイ”の息子が、
ピンポ〜ン♪。゜゛『うちジジイが申し訳ありませんでした』とか謝罪しに来て、
超有名店の出来立てカレーライスを変わりにと持って来てくれたとしよう。
そりゃ私は普段はカレーが焼きうどんより遥かに遥かに好物で、
況してやカレー最強と信じて疑わない超有名店の激うまカレーときたもんだ!!!
何が不服があると言うんだと言いたいところなんだが、ちょい待てって。
もう一度最初からこの話を読み直してごらんなさいって。。
今、この時だけは私にとっては焼きうどんが人生最強なんだよぉ!!!!!!
まったく取り返しがつかねーぜ o(゜▽゜;#))o o((#;゜▽゜)o !!!!!!
さあ、前置きはこのぐらいにしまして・・
ある日、会社で狙ってた男に『ちょっと仕事帰りにいいかなぁ』なんて呼び出され、
私としては、取り敢えずいいとこ、お食事のお誘いかな?? やたー(*^^)∠※PAN
そう言えばある日の昼休み、会社の食堂で、狙ってた男が仕事仲間数人と、
焼きうどんのおいしい店の話とかをしてたような・・ こっそり小耳にしたような・・
もう頭の中では絶えず、お食事の焼きうどんの香りに唆されるかのように、
この世の中には焼きうどんしか存在しないかのごとく妄想が始まり、
出来上がった焼きうどんの上で踊るかつお節のショータイムに喜び・・
な、訳よ、、。
それが以外にも狙ってた男から不意打ちのプロポーズタックルをされ、
その狙ってた男の実家がなんと超有名カレーライス店。
まだプロポーズにOKの返事もしていない私を彼は両親に笑顔で紹介し、
彼の両親に奨められるまま超有名店激うまカレーライスを大盛りで御代わりまで頂き、
のちにふと人生を振り返ると・・
私と彼の回りをやんちゃに駆け回る育ち盛りの我が子がふたり。
あの日にたしか私が喰らうはずだった焼きうどんは何処に・・ なんて・・
そして、何かに取り付かれたかのごとく今晩の夕食にと作り出す焼きうどん。
もう頭の中では絶えず焼きうどんの香りに唆されるかのように、
この世の中には焼きうどんしか存在しないかのごとく妄想が始まり、
出来上がった焼きうどんの上で踊るかつお節のショータイムに喜び・・
な、訳で、、。
やっとのこと家族四人で焼きうどんをおいしく頂きましたとさ。。
こんな時初めて人と言う生き物は幸せを噛み締めた気がするのではないでしょうか。
嗚呼、焼きうどん、かく語りき。
第、351話 開かない鍵 (2006.03.19)
今日、私の部屋の中にて・・
別口の探し物中に再会を果した一冊の古い鍵付きの日記帳。
なんだかタイムカプセルみたいでドキドキした。
鍵は見当たらなかったけれど私には開けられた。
学生時代、飽きやすいくせして懲りずに幾度と日記を書き始めるはいいが、
親の盗み見対策として自ら鍵を隠しておくようになった。
だがしかし、何度となくその隠し場所を記憶から抹殺してしまうと言う、
もっとも親ゆずりのボケのおかげて開発された秘技鍵開けの術。
タイムカプセルを開き見るが改めてこの日記への記憶がない。
確かに私の文字だし、私の文章だし、私のバカさ加減だし。
でもこの頃の日記はおそらくこれ以外には残ってはいないと思う。
くだらない日記ばかりだったし、いらないものはすぐ捨ててしまう性格だ。
この日記帳は奥のまた奥、大切に仕舞われていた。
タイムカプセルを開き見るが改めてこの日記への記憶がない。
もちろん断片的には記憶があるんだ。
当時流行っていたヒットソングや夢中だったロックバンドの話題とか。
でもこの日記の目的は明らかに、
「私から好きになったひとへのラヴソング」
誰かの事が好きになって、その誰かと私が付き合いだして、
その誰かへの想いを綴ること数ヶ月・・
数ページ白紙が続いて次のページの真ん中に一言『さよなら』。
あとは全て白紙のまま。肝心のその誰かの名も全て塗り潰されてある。
それと、日記帳から突然ひらひらと私の足下に舞い落ちた、
夢中だったロックバンドのコンサートチケットの少し黄ばんだ半券が一枚。
そう、その誰かと私とで観に行って楽しかったことも、
確かにこの日記にはとても懐かしく綴られている。
・・そうだ、懐かしく切ない。 記憶より感情が心に蘇る。
『さよなら』の文字を開ける鍵がない。 私には開けられない。
おそらくその鍵はその塗り潰された誰か、・・が、持って行ってしまった。
もしかしたら日記帳本来の鍵は私が捨てたのかもしれないけれど・・
今、ふと、そう思った。
なんとなく、ただなんとなく、なんとなく・・
夢中だったロックバンドの曲を無意識に口遊んでいたら、
私の物とは思えないほど、瞳から涙があふれ出ては、こぼれ落ちた。
第、350話 ホットドリンク (2006.03.12)
「あたたかいよね。ときどき恋しいよね。」
自販機で買って来たホットドリンクをふたつ手に持ち、
玄関先で『ニコっ』と微笑うあなたにわたしは、
「ドリンクがね!」と言ってホットドリンクを受け取り部屋に戻る。
あなは、勝手知ったる他人の家。
「あたたかいよね。ときどき恋しいよね。」
・・まだ言ってやがる。
「もう春だからホットはどうだろうね。」と言うと、
「だからなんだかきみはこうも冷たいんだ・・」
なんていじけたりしている。
・・かと思い気や外に駆け出したかと思うとすぐ戻って来ては、
「クールな俺もよろしく!!」と、自販機で買った冷たいドリンクをわたしに差し出す。
「でも冷たいのはまだ寒いな」
としつこく言ってやると、あなたはわたしをギュっと抱きしめて、
「ほら、あたたかいから冷たいドリンク飲みな」だって;
・・どこが『クールな俺』だ。
これ、たしか去年の今頃も同じシチュエーションが;;
いや、正確に言うと今年で同じシチュエーション三周年記念;;;
「あたたかいだろ。ときどき恋しいだろ。」
あなたは凝りもせずに繰返す。
だから、わたしは言ってやった。
「ぼーっとしていたらホットドリンクだってすぐ冷めちゃうんだぞ」
「あっ、大丈夫!さっきのホットドリンクここ」
と言いながら、あなたは着ていたコートの左右のポケットから一缶ずつ・・
い、いつのまにコイツ。 手品師かよおいおい。
い、いや、だから、わたしが言いたいのは・・
するとあなたはコートのポケットからもうひとつ何やらごそごそと小さなケースを・・
「ほら、婚約指輪もこんなにあったまっているよ」
・・・・・ふつうはそれを先に出さんかよおいおい。
まあ、どうやら来年はこの新春恒例儀式はなさそうだってことで〜!?
わたしは改めてあなたにしっかりとしがみつき、
ちょいと背伸びしてあなたの耳元に囁いた。
「あたたかいね。まいにち恋しいんだよ。」
わたしはふとおもった。
この婚約指輪、去年もコートのポケットの中に入ってたんじゃなかろうか、なんて。
・・も、もしかして一昨年もかな、なんて。
わたしはあなたの胸の中でクスクスっと、こっそり笑ってやった。
第、349話 フクジュソウの花 (2006.03.05)
バイト先にて出会った奴に・・
「大好きですから」
う、う〜ん・・ こんなかなぁ・・
「大好きでーすからぁ〜ん」
うーーーん、、違うかも・・
「大好きです!大好きです!大好きです!」
やかましいな、こりゃ、、
「え〜〜〜っ?!これほどの大好きな気持ちがわからんってかぁ」
最後に「・・貴様ぁ」も付けるべきか。
こ、こんなんで、ちゃんと奴に告白出来るんだろうか?? あたしったら・・
なんだかもう、グダグダ気味ヾ(;。_。*)))
無限のループに閉じ込められたんだろうか?? あたしったら・・
こりゃ埒があかないので奴にメール。
”明日テメーにコクろうと思ってんだけどぉ、
いろんなパターン考えたけどどれがいい??”
そしたら事も有ろうに即座に返信メール。
”ぼくもきみが大好きだよ”
「・・・・・;;」
バカヤローーー!!!
まだコクってないのにコクり返してくるんじゃねーーーよ!!!!!!
・・(-"-;)??
元気ですかぁああーーー!!!
(( ゜)_( ゜);) 春一番??
雪が解けて川になって流れてこけこっこぉおーーー!!!
(人´◇`* ) 春の足音??
「・・・・・ん;;」
翌朝、バイト先に向かう土手を歩いていたら、
何時しか、フクジュソウの花に包まれていた。
第、348話 春服 (2006.02.26)
今日、黄色の巻きスカートを買ってみた。
・・私が知る限り、
あなたの好きな娘(こ)は私じゃない。
あなたの嫌いな娘(こ)は私じゃない。
あなたが逢いたい娘(こ)は私じゃない。
あなたが避けたい娘(こ)は私じゃない。
あなたが授業中、ウトウトして寝てしまいそうな時、
隣の席で優しくコツンとしてあげられる娘(こ)は私。
あなたの好きな娘(こ)は1つ上の学年。遠い席。
あなたを好きな娘(こ)は私。
・・私が知る限り、
あなたを好きな娘(こ)は私。
あなたを好きな娘(こ)の、普通にお友達があなた。
今日、黄色の巻きスカートを買ってみた。
貯めてたお小遣いを叩いて買ってみた。
季節がもう少し春らしくなったら、あなたに告白するために。
あなたが唯一、誕生日に私にくれたプレゼントが、
黄色いハンカチーフだったから・・
第、347話 嗚呼、あこがれのオール電化 (2006.02.19)
「エコキュートぉおおおっ」 (°o゜*)/~~
一先ず叫んでみましたヾ(*゜O°ゞ
「ソーラーパワーぁあああっ」 (^◇^*)ノ彡
続いて叫んでみましたヾ(*~ O~ ゞ
青空の下、太陽の光をたっぷり浴びて、
現在あたしたち、デートの真っ最中ぅ Oo。ミ(。: >〜〜〜〜〜\(^O^* )
最近めっきり屁をこく事しか脳の無いこのガスタコ男を、
あたしの心に始終ビリビリ新鮮刺激を送ってくれる電気男へと、
最新リフォームを果すべく頑張って教育しているんです。
目指せ!身も心も豊かなエコライフってなもんですよ。
目指せ!地球にやさしいラヴラヴカップルってなもんですよ。
目指せ!約束週一デート太陽光生活ってなもんですよ。
ステキじゃん (o*^o^*o)
モ〇ゾーも〇ッコロも倉庫からゾンビってイェイ!イェイ!ですよ。
キュートじゃんヾ(∇^〃)
フレミ〇グも〇リレオもタンスから飛び出しイェイ!イェイ!ですよ。
・・ん?? (@( ゜)_( ゜)@) ??
信長とか利休・・
あれっ!!(||||▽ ̄@) !!
「・・・・・・」
「ピエールぅうううううっ」 o(ロ≦〃)
・・叫んで誤魔化しておきましょうって_(^^*;)ゞ
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作者後談ー「いかん、関東しかわからん」☆(=°o°(○=(-_-*○
第、346話 きみがすきだった曲。 (2006.02.12)
きみがすきだった曲。
いつもきみが聴いていた。
いつもきみが口遊んでた。
きみがすきだった曲。
きみの横顔、隣にいたぼく。
きみがおそれてた事。
あの日ぼくがサヨナラと・・
あの日きみにサヨナラと・・
きみがおそれてた事。
ぼくの横顔、隣にいたきみ。
きみがすきだった曲。
今は、ぼくが口遊む。
今は、ひとり口遊む。
きみがすきだった曲。
きみの横顔。ぼくの横顔。
第、345話 ポケットカイロ (2006.02.05)
うぅぅ、寒ぅ寒ぅ寒ぅ。
うぅぅ、寒ぅ寒ぅ寒ぅ。
うぅぅ、寒ぅ寒ぅ寒ぅ。
なんでまた折角のデートの日だって言うのに、
外出した事を力尽で悔い改めさせられるかのようなこの仕打ち。
ポケットにカイロ入れてたって役に立たないったらありゃしない。
・・ポケットカイロかぁ (* ( ゜)_( ゜) *)
マイ・ダーリンがちっちゃくなって、ポケットサイズになって、
肌身はなさず持ち歩いたりは出来ないものだろうか・・??
そしたらどんな市販されているカイロより暖かいに決まってるさ。
しかもだ!しかもだ!半永久的に使用可能〜(*μ_μ)σ|ポ〜っ
そんなこんなでいつもの待ち合わせ場所にて目標物発見。
おっ!居た居た私の特大ポケットカイロちゃん (*o_ _)ノ彡☆ばんばん
「ごめんねー、また二時間半!?ほど遅刻しちまったかなぁ;;」
すると私を発見したダーリンは凄まじい勢いで私に駆け寄って来た。
こりゃ、ジャンピングしてのヘッドバットぐらい覚悟しておいたほうがヾ@@;;
と、念の為、冗談半分に可愛らしく身を縮めていると・・
「やっと俺のカイロが到着したかぁーー」
と、人目を憚らずに私をむぎゅっと抱きしめやがったぞコイツったら。
「そうかそうか、寒いとこ待たせた私が悪ぅございましたって」m(。_。;)m
と、一応謝りながら、私はダーリンのコートのポケットの中にどっこいしょって・・
きゃは〜♪。゜゛ちゃうちゃうσ)゜_゜*)
ダーリンのコートの胴の右箱ポケットの中に私の手袋付き左手を・・
ダーリンのコートの胴の左箱ポケットの中に私の手袋付き右手を・・
ダーリンのコートの胸のあたり一杯に私の顔と鼻水を・・
そして小声で「低温火傷には気をつけるんだよ、大好きな、マイ・ダーリン」
きゃは〜♪。゜゛おのれにも言って聞かせろσ)゜o゜;*)
やっぱり等身大ダーリンが一番暖かい事を実感した、そんな冬の空の下。
第、344話 Let's おしゃべりタイム (2006.01.29)
カフェテラスにポツンとひとり取り残された私。
彼の笑顔を鑑賞しながら味わうはずだったフルーツケーキを、
今はただ、ひたすらに私、ケーキフォークでこれでもかと突いていた。
そこに勝手にやって来たのが私の分身達とでも・・
《天使は言う。》
「いままであなたのことをいっぱい愛していくれたひとなのよ」
《悪魔は言う。》
「でも結局はおまえの事を奴は捨てたんだ」
《私は言う。》
「この際バッサリこの伸ばし過ぎた髪でも切っちゃおうかなぁ」
《天使は言う。》
「縄文顔ってのはモアイ像みたいな」
《悪魔は言う。》
「弥生顔ってのはなんだ、のっぺらぼうか」
《私は言う。》
「ちょっとぉ、なんの話題よ」
《天使は言う。》
「あなたがスキンヘッドになったらどんなんかと・・」
《悪魔は言う。》
「おれは、このおんな、結構減り張りのない顔になる気が・・」
《私は言う。》
「剃るのではなく切るのぉ」
《天使は言う。》
「腰うねらせてこう踊るのよ〜♪。゜゛」
《悪魔は言う。》
「ほれ!失恋女はほっといてダンシングダンシング♪。゜゛」
《私は言う。》
「ちょっとなに勝手に踊ってんのよ!あんたたち」
・・私はなんだか私を捨てた彼の感情を一瞬垣間見た気がした。
《天使は言う。》
「そうね、彼に同情しちゃうわぁ」
《悪魔は言う。》
「結局んとこ、おまえが悪い」
《私は言う。》
「ねぇ今までふたり歩いて来たこの道を戻る事って出来る??」
《天使は言った。》
「一方通行を逆走なんて天使がお奨め出来ないわぁ」
《悪魔は言った。》
「そうそう、奴も結構恋愛バカだから、この道の少し先でひとりポツンと突っ立ってるしね」
《私は言った。》
「ありがとう、もう大丈夫。その場所へとちゃんと私、辿り付いてみせる」
《天使は言った。》
「どういたしまして、わたし」
《悪魔は言った。》
「どういたしまして、おれさま」
第、343話 窓の外の雪 (2006.01.21)
私の部屋には空がない。
春を彩る桜の木々や花に囲まれてもいない。
あの公園のベンチへ辿り付くための石垣の道も見当たらない。
ずっと一日一緒にいた、ずっときみと一緒にいた、
去年のあの想い出も、限られた安らぎも・・
窓の外の雪。
今、二階の私の部屋の窓を永くながく見上げている、
頭に、おでこに、雪を被っているきみなんて・・ 想像しながら・・
私はちょっとだけ『クスっ』っと微笑える事が出来た余裕を、
再び私の中から探し出してはまた『クスっ』っと微笑えんだりして・・
だから今、そんな私が私の部屋の空を見上げたりしたら・・
存在するはずのない、私の部屋の空を見上げたりしたら・・
あの日、見上げるふたりの頭に、おでこに、舞い下りた桜色の花びらが・・
・・それはただ何となく。
私は去年の夏、二階の私の部屋の窓を永くながく見上げている、
日焼けするほど輝く太陽の日差しを浴びているきみを想像していたんだと思う。
私は去年の秋、二階の私の部屋の窓を永くながく見上げている、
舞い落ちる枯れ葉の中に佇むきみを想像していたんだと思う。
だが何れ直に訪れるこの年の春に、二階の私の部屋の窓を永くながく見上げている、
桜色の花びらの中の、幻のきみには決してけして出会わぬようにと・・
窓の外の雪。
・・永遠に降り続け!!
窓の外の雪。
実る事が許されなかった、叶わなかった、ふたりの永遠のために・・
第、342話 赤いランドセル (2006.01.15)
わたしの部屋の片隅に今だ大切に飾られている赤いミニランドセル。
わたしの『別にいいって!』の意見を当時一切完璧無視し、
両親が娘の卒業記念にウキウキと業者に加工してもらった赤いミニランドセル。
真ん中あたりに懐かしい傷が永遠に残っている赤いミニランドセル。
『まったく業者さんもうまくちっちゃくしてくれたもんだね』
なんだかんだと出来上がりに本人であるわたしが誰より喜んだ。
二十歳も過ぎたわたしの部屋に今だ大切に飾られている赤いミニランドセル。
今、休日の我が家では”奴”が相変わらず我が両親と仲良しバカ騒ぎ真っ最中!!
まったく、彼女の家でこれだけ実の息子以上に騒げるのは、
いくら幼馴染みとはいえ、いくら我が家ではわたしが一人っ子で、我が両親が、
『うちにも真ちゃん(奴の名)のような元気な男の子がひとり欲しかったわねぇ〜』
・・が、未だに口癖であったとしても、ひとえにこれは、
奴の ”どんなシチュエーションであっても違和感なくみんなでバカ騒ぎ症”
・・の成せる技であろう。
わたしの部屋の片隅に今だ大切に飾られている赤いミニランドセル。
真ん中あたりに懐かしい傷が永遠に残っている赤いミニランドセル。
幼かった頃の奴が、ドッチポールが得意な男の子に夢中だった当時のわたしに対し、
図工で使うカッターナイフで刻んだ初めての愛のメッセージ。
ただの小さな傷だけど・・
「おーーーい!千鶴 ( σ( * ゜゜*) の名) 家族でこれから車で買い物いくぞー」
ヽ( *`○)ゞ< まったく貴様は我が家の世帯主かぁーーぁ
そして相変わらず我が両親と奴の祭り騒ぎで賑う車中、奴のまさかの、
”どんなシチュエーションであっても違和感なくみんなでバカ騒ぎ症”
が、ある意味変則的に青天の霹靂の如く炸裂した。
「おとうさんおかあさん、めでたく娘さんを僕に下さい」
わたしの部屋の片隅に今だ大切に飾られている赤いミニランドセル。
真ん中あたりに懐かしい傷が永遠に残っている赤いミニランドセル。
第、341話 ちいさな雪だるま (2006.01.05)
「雪って冷たいんだなぁ〜」
毛糸の手袋を両手に雪を丸めているのに、
その"体温"の低さを改めて感じたりしている。
少しおおきな雪の玉と、少しちいさな雪の玉。
「きみはわたしが産んであげたんだよ」
突然この世に出現した”彼”の耳元にわたしはそう囁いてみる。
・・暫くは此処に、いたかった。
でも、わたしはもう、この場から去らなければいけなかった。
辛くても悲しくても、この場から去らなければいけなかった。
わたしが立ち上がると、”彼”はわたしを見上げてこう言った。
「バイバイ、ママ」
”彼”は、細い枯れた小枝の腕を、わたしに振った。
わたしは、”彼”に、いっぱい手を振り返した。
「バイバイ、バイバイ、」
・・でも、わたしはもうその場から去らなければいけなかった。
辛くても悲しくても、その場から去らなければいけなかった。
過去あれほど何度も訪れた、アイツが住むアパートの前の細道で、
ちいさな雪だるまに、少しずつ少しずつ、
雪が舞い、そっと降り積もってゆく。
第、340話 手作りマフラー完成したよ! (2005.12.29)
手作りマフラー完成したんだよ!
色は爽やかにレモンイエロー。
でも、たっぷりヘタクソだよね・・
今まで作った事なんか無かったんだもの。
・・机の上。
100均で買った編み棒と編み方の本。
その横には、私がこっそり隠し撮りした、
校庭で部活に励む、きみだよ、きみ!!
フォトスタンドの中で輝いている、、きみのこと・・
ほんと、ヘタクソでゴメンね。
・・机の上。
手作りマフラーをぐるりと、フォトスタンドの中の”きみ”に巻いた。
「冬休みだもの・・ 逢えないね。」
ううん、ただのひとりごとなんだ。
・・机の上。
両ヒジ突いて、小首傾げて、、
「そうだ冬休み、お揃いのヘタクソ手作りマフラーでも作ってみるか」
・・なぁ〜んて、、
戯けた事をうっかりマジ考えてみたり、している、年の暮れ。
第、339話 近況報告ラヴキュンメール (2005.12.25)
どこかに落としたかなぁ・・
よく耳からこぼれ落ちるとか言うけれど・・
そんなちっこい穴からこぼれ落ちる過程で気付けよな、わたし・・
なんだか脳みそ随分と無くなってるよ!! わたし・・
だって毎日なにも考えられないんだよ!! わたし・・
・・あなたのことしか_(^^ ;)ゞ
ん、、てことはだよ、都合よく↓
(」~〇~)」<あなたのことを考えていられる脳細胞のみ残されているってことぉ??
若しくは、わたしの脳みそ100%万全で↓
(」~〇~)」<全てはあなたのことだけを考える脳細胞と化してしまっているのぉ??
・・これだぁ!
な〜んだぁ〜。。
だったら微塵もこぼれ落ちてないんだから気付かなかったのも無理はないさ。
問題解決!! 一件落着!! これにて閉廷!!
・・と、ここまで透かさずあなたに近況報告ラヴキュンメール o(〃^▽^〃)o
『充分いろいろ考えてるよ、おまえの脳みそ』
・・と、透かさず来る返信近況報告ラヴキュンメール (o〃⌒.⌒〃o)
きゃ〜♪。゜゛
3×5=15
きゃ〜♪。゜゛
大化の改新 645年
きゃ〜♪。゜゛
なまむぎなまごめなまたまご
きゃ〜♪。゜゛
(」~〇~)」<わたしの脳みそったらこの浮気者ぉ。
きゃ〜♪。゜゛
使えてるじゃん、わたしの脳みそ。
問題解決!! 一件落着!! これにて閉廷!!
・・と、これも透かさずあなたに近況報告ラヴキュンメール(/。\)
きゃ〜♪。゜゛ しあわせ〜♪。゜゛
ん、、お惚気・・``r(^^;)
第、338話 風に舞う色 (2005.12.18)
何時もとは違う髪型と服装で
あなたの街 通い慣れた道を歩いてゆく
風に舞う色は柔らかな滲んだ色
空から舞う白い色は冬の万華鏡
一度も私の事 好きではなかったでしょ?
だから全てを 今日は全てを 思い出に変えに来たの
擦れ違う二人 あなたにはわからない
空から舞う白い雪が頬に溶けてゆく
一度も私の事 気付いてなかったよね?
愛の深さも傷の深さも一人で抱えてたの
擦れ違う二人 あなたにはわからない
覗き見して解っていた本のエピローグ
第、337話 初恋の収録曲 (2005.12.11)
《高橋芽吹 ”初恋” 収録曲》
1. 出逢い
2. あなたとの夢
3. 春風両想い
4. ふたりのメロディー
5. サマーバケーション
6. しあわせになりたい
7. 秋
8. サヨナラは突然に・・
9. 夢小説
10. ありがとう
11. 冬のカレンダー
:::::::::::::::::::::::::
《高橋芽吹 プロフィール》
高校生。
普通の高校生。
たぶん、どこにでもいる、
普通の高校生。
初恋に終わりを告げたばかりの・・
ただの、なんでもない、
普通の高校生。
第、336話 手のひら (2005.12.03)
”手のひら”を辞書で引くと、
【手首から先の内側の面】 by 広辞苑
”手のひら”をママンで引くと、
【おまえが赤ちゃんだった頃はね、それはそれはもみじのような・・】 なげぇ〜省略;;
”手のひら”を体育教師Sで引くと、
【貴様みたいないつもだらけてる生徒を張り倒す武器じゃぁ〜】 コ、、コイツ#
”手のひら”をパパンで引くと、
【最近ちっともパパとデートしてくれないじゃないかぁ (ノ_<。)】 む、娘離れ頼むって。
”手のひら”を悪友Yで引くと、
【そうそう、あたいの手相って男運ほんと無くってさぁ・・】 延々〜これも省略;;;
”手のひら”を年の離れた弟(仲良過ぎのパパンとママンの念願長男だぜ)で引くと、
【おねえちゃん、お小遣いカモン】 よぉ!間違いなく同じ遺伝子だぜ  ̄ー ̄)ノノ彡
”手のひら”を ・・君で引くと!?
「もう十二月だね」 ・・ふたりの手のひらは今、同じポケットの中さ。
第、335話 無我夢中だったんだ。 (2005.11.27)
無我夢中だったんだ。
きみを、僕の心の中で永遠に好きでいたかった事。
きみを、僕の心の中から全て消し去りたかった事。
今は・・
自分ひとりが傷つくようにと、
今は・・
それだけを願っている。
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